ORANGEHEAR®
赤外線ランプヒーターには「面状」「棒状」「セラミック封入形」「石英ガラス管封入形」など様々な種類があり、「鉄クロム線」「ニクロム線」「タングステン線」「カーボン」などのフィラメント(直接ジュール熱を発生する抵抗体)の温度放射で発生する赤外線を利用したものがあります。
その中でも、メトロ電気工業が開発、製造をしているオレンジヒート®(赤外線カーボンランプヒーター)は、高純度カーボンの薄板を独自技術でフィラメントに加工し、不活性ガスと共に石英ガラス管に封入したカーボンヒーターです。カーボンは放射率が80%以上で抵抗値が負特性のため電源投入時に突入電流が流れません。また、カーボンフィラメントは不活性ガス内で通電されるので高温時でも酸化焼損が少なく長寿命で高温設定が可能な高効率でハイパワーな赤外線カーボンランプヒーターです。
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オレンジヒート®カーボンフィラメント例 非通電時
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オレンジヒート®カーボンフィラメント例 通電時
オレンジヒート®は、棒状やセラミック封入形の赤外線ヒーターと比べ外郭の質量が小さく、しかもフィラメントが外郭にほとんど接触していないので温度レスポンスに優れ数秒で最高温度に達します。
カーボン発熱体(フィラメント)は千数百度までの高温設計が可能で高出力、高効率の熱源を実現します。抵抗体への通電により発生するジュール熱は極めてシンプルに得ることができ、小型軽量で使用材料が少なく、構造や発熱方式も単純なため、通電のための特別な回路は必要ありません。また、外郭の高純度石英ガラス管は膨張係数が鉄の20分の1程度と小さいので点灯中に水を掛けても破損しません。さらに、出力、発熱長、温度、形状の設計自由度も高く、ガス加熱方式に比べ「エネルギー効率向上」「安全性向上」「作業性向上」「職場環境改善」「CO2削減」など多くの成果を生み出し、様々な用途に適した対応が可能です。
電気加熱方式でも高出力が得られ、ガス加熱方式の代替として充分使用することができ各種産業分野における「加熱工程」にイノベーションを起こし大幅な省エネルギーとCO2削減に貢献します。



オレンジヒート®(赤外線カーボンランプヒーター)の主な特長
- カーボンの電気抵抗は負特性(低温時ほど抵抗値が大きい)のため、
電源投入時の突入電流(瞬間的な大電流)が流れません。※定格電流の約60%(フィラメント温度1,000℃) - カーボンフィラメントの色温度は備長炭とほぼ同じで放射効率が優れています。
- 温度レスポンスに優れているため、迅速できめ細かな温度制御が可能です。※起動・停止とも数秒以内
- 高純度石英ガラス管は熱衝撃に強く、膨張係数が鉄の20分の1程度と小さいので点灯中に水がかかっても破損しません。
- 石英ガラス管内には不活性ガスが封入してあるので酸化せず長寿命です。※8,000時間以上(ヒーター単体、連続通電での値)
- 封止部以外は1,000℃程度の環境でも使用可能です。
- 点灯方向は自由に設計が可能です。※設計によっては制約される場合があります。
- 石英ガラス管封止のため、ガス等の排出がなく、熱源としてクリーンであり、真空中でも使用可能です。
- 電気容量に対して小型軽量です。
高温を短時間で得るにはバーナーによるガス燃焼方式が一般的に用いられています。この方法による温度管理は、常に温度計をチェックしガスや空気の流量をバルブで調節しなければなりません。ガスの燃焼には空気が必要でCO2も発生するので換気が必要です。風の当たる場所では不安定で立ち消えの恐れもあります。また、ガス燃焼方式は対流が起きやすく下面や側面の加熱効率が非常に悪くエネルギーロスが大きく付近の温度を高くします。さらに、火災や不完全燃焼など安全面も懸念されます。
しかし、これまでガスバーナーに匹敵するエネルギー密度の高い電気的熱源がないため、高温が必要な自動車産業や食品産業の加熱工程など多くの分野で、やむを得ずガス燃焼方式による加熱が採用されています。そこで、ガスバーナーに匹敵するエネルギー密度の高い電気的熱源を開発いたしました。
オレンジヒート®は、ガス燃焼方式のデメリットを一挙に解決し、同時に省エネとCO2削減を図ることが可能です。

金型の予備加熱をガス燃焼方式から「赤外線ヒーター式 HIGH POWER金型加熱器」による電気加熱で可能にしました。 これにより、平成27年度 省エネ大賞(省エネ事例部門)で資源エネルギー庁長官賞を受賞しました。(テーマ:鋳造工場における赤外線ヒーター式加熱器の導入による省エネ・省力化) この受賞により、省エネ性だけでなく、加熱時間短縮、均一加熱、温度制御が容易、安全性向上、作業環境の改善、金型メンテナンスの低減、製品不良率の低減、設置が容易、CO2削減など大きな効果が実証されました。

エンジン鋳造部品を製造する低圧鋳造工程では、金型とサブストークは、鋳造品質維持のために加熱を必要とします。従来のガスバーナー式加熱では、エネルギー使用量をはじめ、火災リスクや温度変動による品質影響など多くの課題がありました。
今回、500℃以上の高温雰囲気下でヒーター化が非常に困難であったサブストークを赤外線ヒーター化することに成功し、燃焼を伴わないCO2フリー低圧鋳造工程が実現しました。大幅なエネルギー使用量削減と加熱時間短縮を実現すると同時に、現場作業の省力化と安全性、製品良品率を向上させた取り組みが高く評価され、2020年度 省エネ大賞の省エネ事例部門「省エネルギーセンター会長賞」を受賞しました。

愛知環境賞は、2005年愛知万博の開催に合わせて、省資源や省エネルギー、リサイクルなどに関する優れた技術や活動などを表彰することで、資源循環型社会の形成を促進するとともに、広く全国に向けて、愛知の環境技術や環境活動のレベルの高さを発信する目的で愛知県が創設しました。
○白熱電球の製造技術を応用した、独自の電気加熱技術による高効率で制御特性に優れた熱源製品を開発。
○金型加熱、食品加工、自動車関連など様々な分野で普及。
環境負荷の低減と低炭素社会の形成に大きく貢献するものと高く評価され、平成31年度 愛知環境賞 銅賞を受賞しました。(テーマ:オレンジヒート®の開発による加熱方法の革新と大幅な環境負荷低減)

“超”モノづくり部品大賞は、日本のモノづくりの競争力向上を支援するため、産業・社会の発展に貢献する「縁の下の力持ち」的存在の部品・部材に焦点を当てた表彰事業です。
「オレンジヒート(赤外線カーボンランプヒーター)」は、「2019年 “超”モノづくり部品大賞」にて機械・ロボット部品賞を受賞しました。オレンジヒート®は電気加熱方式でも高出力が得られガス加熱方式の代替として充分使用でき、各種産業分野の加熱工程において大幅な省エネルギーとCO2削減に貢献することが評価されました。
このマークは、メトロ電気工業株式会社が製造、販売をする
オレンジヒート®(高効率・高出力の赤外線カーボンランプヒーター)を象徴するシンボルマークです。
高効率・高性能・高出力「オレンジヒート®」を詳しく知っていただくために