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お知らせ
- 導入事例
2018.08.01
CFRP急速加熱装置 CF-1
自動車製造等産業分野での使用拡大が期待されているCFRP(炭素繊維強化プラスチック)のプレス成形において、現在主流となっているタイプの赤外線式加熱装置では約60秒の加熱が必要であり、一般の自動車用部材の製造と比較して長い時間がかかっていました。
今回、プレス成形に必要な加熱時間を従来の1/5に短縮する高出力赤外線カーボンヒーター式 CFRP 急速加熱装置「CF-1」を中部電力株式会社、株式会社佐藤鉄工所、メトロ電気工業株式会社で共同開発いたしました。
※炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastic)︓鉄と比較し重量1/4かつ強度2.5倍の材料
目 的
▪ CFRPのプレス成形における加熱時間の短縮
▪ 高品質な加熱成形の実現
▪ 生産性の向上
課 題
▪ 現在の赤外線式加熱装置では一般自動車用部材製造と比較して加熱時間が長かった(約60秒)
▪ 内部の加熱が不十分な場合ボイド(空隙)が生じ、強度が低下することがあった
効 果
▪ オレンジヒート®の採用により、加熱時間を従来の1/5 (12秒)に短縮
▪ 起動後約1秒でヒーターが所定の出力に達するため、待機時間が不要に
▪ 加熱制御方法の工夫により、従来の赤外線式加熱装置と比べてCFRPの高品質な加熱成形が可能に
急速12秒でCFRPを加熱 加熱時間が5分の1に短縮
赤外線によるCFRPの急速加熱に最適な加熱条件を発見し、新たに開発したオレンジヒート®を採用したことにより、加熱時間を12 秒※に短縮できます。また、起動後約1秒でヒーターが所定の出力に達するため、待機時間が不要となります。さらに、加熱制御方法を工夫したことにより、従来の赤外線式加熱装置と比べてもCFRPの高品質な加熱成形が可能となります。※厚さ1.5 mm の CFRP (CF/PA66) の場合
CF-1はCFRPを赤外線で効率的に加熱できるため、比較的小型部品の大量生産などに有効です。今後、産業分野のお客さまを中心にCF-1をご提案することで生産性の大幅な向上に向けた取り組みを支援していきたいと考えています。
オレンジヒート®について
従来の熱源の限界を超えるW密度(高出力カーボン)
カーボンフィラメントの純化や厚さ調整により、従来の2~3 倍のW密度を実現
高放射率体での高輝度化(高輝度カーボン)
カーボンフィラメントのカット方法の工夫などにより、高放射率体での高輝度発熱を実現
近赤外線ヒーターに迫るレスポンス性
フィラメント温度上昇と発熱部の質量の減少により、温度依存性が負特性でもレスポンス性に優れる
冷却による熱損失レスの反射板内蔵二重管型(ミラヒーター)
反射板への熱損失を防ぐため、ミラヒーター形状を採用
この4つの技術を組み合わせたオレンジヒート®を採用しました。
CFRPは自動車・航空機・宇宙産業から医療まで
様々な分野での活用が見込まれています。
高品質な加熱成形の実現
CFRPを成形する際には表面だけでなく、内部まで均一に加熱することが必要です。内部の加熱が不十分であるとボイド(空隙)が生じ強度が低下するためです。しかし、オレンジヒート®で加熱するとCFRP表面のみが加熱され内部にまで熱が伝わらない場合があります。これを解決するために、所定の時間加熱後に出力を抑え、伝熱を利用しながら内部まで均一に加熱する手法を開発し、この加熱パターンをあらかじめ加熱装置に組み込みました。これによりCFRP内部にボイドの発生無く、表面もこれまでのタイプの赤外線式加熱装置と同等以上に滑らかな品質にすることが可能となりました。
生産効率の向上
オレンジヒート®は起動すると約1秒で所定の出力に達します。必要なタイミングでヒーターを瞬時起動して加熱することができるため必要な時に必要な量だけ製品を生産することも可能です。CFRPは、自動車・航空機・宇宙産業から医療まで様々な分野での活用が見込まれています。
お客様の声
加熱部が移動することにより中間材(CFRTP)が固定され、プレスと装置が一体化されることにより、省スペース化によるコスト削減と高効率化が実現されると考えます。(株式会社佐藤鉄工所 工場長)
定 格 | AC200V 57.6kW |
熱 源 | オレンジヒート® 3.2kW × 9灯×上下2面 |
寸 法 | W1,800mm × L1,450 × H1,350mm |
発 熱 部 | 長さ(最大2,000㎜)× 任意の幅で対応可能 |
株式会社 佐藤鉄工所・中部電力ミライズ株式会社
※各種情報は2018年8月時点のものです。